今から10年前、長男に次いで、次男も東京の大学に行く事になり、それを機会に東京に拠点を設ける事にした。拠点と言っても、事務所というより生活拠点になる。
長男も次男も東京にいるので、石川県にいる妻の事を考え、又、仕事においても東京に拠点があった方が動きやすいと思い、次男の高校卒業の前のタイミングで、東京に行ってマンションを見て回って決めた。
東京には大学時代から10年いたものの、ブランクは20年以上もあり、どこを探していいか全く分からない。妻が、「南青山っていい感じそうじゃない?」との一言だけで、地域を南青山に絞り、新築の賃貸マンションがあったのでそこに決めた。外苑前駅から徒歩4分程、多少裏手にあったものの、とても感じのいいマンションだった。そしてその南青山のマンションから、また別の南青山のマンションに移り、その後代々木公園に行った後、神宮球場近くの外苑前のマンションに移った。そして4年程前に今の渋谷のマンションにやってきた。今のマンションが東京に来て5つ目になる。
マンションを転々としたのはいろいろと理由はあったのだが、一番大きな理由は飼っていた愛犬のチョコの体調にあった、チョコは病気がちで、最後の方には血液の病気にかかり、そのためにも救急の病院に行きやすい場所を探した。外苑前のマンションには1年もいなかったが、ほとんど救急の病院に行っていた記憶しか無い。チョコが13才で亡くなり、都内で葬儀を行った翌日に今の渋谷のマンションを探し、速攻で引越しを決めた。前のマンションではチョコの闘病と散歩の思い出があまりにも詰まっていた為だ。その時に渋谷に来て、もう4年になる。
一時は長男も次男もいたが、昨年に長男が結婚をして都内で別のマンションを借り、次男もつい最近一人暮らしを始めた。今は渋谷には私と妻だけになる。私は石川県がメインなのだが、渋谷に来る機会は今までより少し増やし、子供達もたまに食事をしに渋谷に寄っている。それが来年でもう10年にもなる。
都内のしかも都心部にまさか10年も住むなんて思ってもみなかった。家賃もまあまあ高いのでいつまでいられるかなとは思っていたが、今の所まだ住んでいられる。ただ仕事面では、都内にマンションがあると石川県にはやや来にくい他の地域の方々が来やすくなっている。又、今のマンションには使い勝手のいいミーティングルームもあり、打合せ場所も多いのでので、そこで打合せや場合によっては小セミナー等も行っている。
渋谷は当然ながら、人が多く若者が多い。マンションの住人も比較的若い人が多く、自分的には今でも違和感が強い。しかしそれはそれでここでしか得られない刺激もやはりある。マンションの真隣に渋谷公会堂があり、NHKの本社は目の前の為、NHKホールなども徒歩3分で行ける。代々木体育館も目の前だ。そのせいもあり、いろいろなライブや、NHKの番組収録などはもう何十回も観に行った人は多いし、まともに食べる所などもほとんどないが、その立地と刺激は今の自分にはまだ必要なのかもしれない。
私もここ数年で人付き合いなどはめっきりと減ったが、多くの人がいるこの渋谷で、また来年も刺激的な日が続く事を期待している。