粗利益の出し方そのものを間違えている会社が多い

粗利益と一言で言うが、会社によってその粗利益の出し方(算出方法)は大きく違う。今まで数多くの決算書であり、各社の粗利益の出し方を見てきたが、「正しい方法で」粗利益を算出している会社は驚くほど少ない。

 

粗利益を目指すという会社は未だに圧倒的に少ない。しかしその少ない会社も粗利益を正しく出していないが為に、結果として路頭に迷ってしまっている。路頭に迷うとまでは言わなくても、「何かうまくいかない」という状況には陥りがちにある。そして結果、皆、粗利経営そのものを頓挫してしまう。

 

私がコンサルティングに入る場合も、コンサルティングを教える場合も、最も気を遣わなければならない地点が「各社の粗利益の算出方法の是正」にある、という事は実はここ数年で分かった事だ。特に私自身がコンサルティングを教える際に、コンサルタントの皆さん自身が最初に陥る迷宮がこの部分にある。逆に言えば、各社の粗利益の算出方法さえクリアにしてしまえば、後は簡単だと言い切ってもいい位だ。

 

一応私は、一部指導もさせていただく立場にあるので、私自身が粗利益の算出方法で迷った事も、まして間違えた事なども過去にはない。各社によって微妙に違う「粗利益」という定義を、各社なりのオリジナリティとやり方を可能な限り保ちながら、正しい算出方法にて新たに「浸透」させる。そして、それこそが私自身が今まで普通に、無意識に出来てきたという事が、他のコンサルタントとしての違いの1つなのかもしれない。などと、偉そうな言い方をしてすみません。

 

粗利益とは決算書でいう売上総利益の事だ。まずここもよく分かっていない人は意外に多い。決算書の売上総利益を増やして、営業利益であり、最終の純利益を増やす事が目的な訳だから、粗利益と売上総利益の数字は当然イコールという認識を持っていなくてはならない。そこを認識していない事にはそもそも難しい。当然のことのようで多くの人が当然とは思っていない部分でもある。

 

各社の粗利益の合計は各現場を累計すればいいだけだ。書籍にはその部分は重ねて書いているが、残念ながらなかなかそこも出来ていない会社はかなり多い。そして累計したとしても粗利益の算出方法そのものが間違っているので、その年間累計が決算書の売上総利益とイコールになる事はまずない。

 

大前提として、売上総利益=売上高ー(材料費+外注費+労務費+その他現場経費)になるという事を再認識しなければならない。決算書の通りそのままだ。売上総利益=粗利益だから、日々の粗利益の算出もそこに合わせなければならないという事だ。そして、その中で問題が出てくるとすれば、その多くは「労務費」と「その他現場経費」の部分になる。数字は簡単にイコールにはならず、そこで補正の必要が出てくるという事だ。その補正のやり方にも何種類かあり。各社の事情も異なっている。このブログで書くには少し難しいかもしれない。

 

ここが利益改善であり、コンサルティングの隠れた肝になっている。この入り口を突破しなければ、利益目標の設定も、各種会議も、社員面談なども全ての意味が大きく弱まってしまう。何よりまず、「売上総利益=粗利益」という不動の軸を強く持った上で取り組んでもらいたいと思います。

 

それでも自社ではどうしても出来ない場合、まず当社に連絡をください。必要であれば、超短期(1ヶ月程度のみ)のコンサルティングも行わせていただきます。経営者の方が、自社で自力で時間をかけて試行錯誤を続ける位なら、粗利経営のプロである当社にご相談ください。短期間程度の投資のしがいは十分にあるかと思います。全てを速攻でクリアにしますので。

 

 

 

「建設業のための経営改善バイブル」(第5版御礼) 

「粗利だけ見ろ」(第6版御礼) 

「建設業経営 利益最大化の法則」(第2版御礼)

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