遂に銀行が金利を上げてきた

日銀がゼロ金利解除を発表して数ヶ月。遂に銀行の金利上げが始まった。

 

私の顧問先で借入金が売上高よりも多いながらも、県の支援協議会にも介入してもらい再生計画を約8年前に開始した会社がある。その後、様々な困難に見舞われながらも概ねその再生計画通りに経営は進んでいた。決められた返済も順守し、私も一緒になって更なるステージアップに向けて進んでいた中の事だ。

 

銀行の金利上げは予想はしいていたが、思ったよりも早かった。金利を上げる事そのものは流れとしては理解できるが、こういった会社にまでやってくるのか、というのが正直な感想だ。

 

この会社の金利は3%台。3%台だ。今や驚きの数字だろう。今の時代、1%前半でも高いと思われる中でこの数字だ。借入金が売上を超えているという事からすれば、どれだけの金利を毎年払っているか想像はつくだろう。金利分だけで普通の会社の利益はゆうにあるレベルだ。その会社が8年も途方もないレベルの計画を維持しながら、金利も元本も返済し続けている中で、その金利を更に上げるというのだ。正直、全く理解できない。

 

銀行内部でこの会社の「引き当て」が済んでいないのかどうかは分からないが、こういった会社は潰れても構わないと普通に思っているのだろう。しかし実際は、そこまでの「深い思慮さえもない判断」のような気がする。銀行の担当者も、その会社の経営(というより経営そのもの)が全く分かっていないような担当者で、「ゼロ金利がなくなりましたので」と普通に言ってきたそうである。しかも笑顔で。

 

銀行は充てにはできない、というレベルなどではない。少なくとも、追加の借入などは「工事見合い」であっても期待しない方がいい。借入金の多い会社はまずは自社を守る手段として、今や意味のない銀行対策などを講じるのではなく、自己資金のプールに命を懸けるべきだ。一切の追加融資を必要としないレベルの経営が「最低限」望まれる。

 

建設業界は今や空前絶後の追い風の時代といえる。「そんなのは全く感じない」という経営者がいるなら、それは自身の認識不足と経営方法そのものが間違っているのだと思った方がいい。今は奇跡の時代、私的には「バブル」とも思える時代だ。今ならどんなレベルの会社でもその史上最高益に持っていく事は可能だ。少なくとも建設業界の会社であれば、できない会社などない。「うちはまだ大丈夫」などとは決して思わずに、ここはこのキャッシュ経営に転換して欲しい。

 

とにかくPLを尋常ではないレベルまで上げるのだ。

 

 

 

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