断る事が全てを変える。何を断るか、どのように断るか。

「利益を上げたい」「質を上げたい」「評価を上げたい」、そして「お金を残したい」。仕事に関わらず、誰しもがそのように願うと思う。

 

しかし自社であり自身が今、そうなっていない現実があるとすれば、結局はそもそも上記の方向に向かっていない、又はやっていないという事実があるはずだ。そこを深く理解せずして、そしてそこを克服しようとせずして、その域などには決して達しない。望む未来などいつまでも手に入れられない。

 

簡潔に言えば、そのポイントの第一関門には「断る」という行為が必要になる。「何を断るか」「どのように断るか」。私は起業してからだけでも、経営者だけでなく、その社員の方達を含めれば、今まで4000名以上の人と「膝を突き合わせて」話をしてきた。立ち話や挨拶程度のものなどではない。そして、結果的にではあるが「客観的に」多くの人々を見て、皆さんがその後どうなったかまでほとんどを見る事ができた。

 

人は新しく何かをする事、今やっている事を変える事をとにかく嫌がる。そういう私でも本質はそうだ。そしてその中でも特に「交渉」を嫌う性質がある。そして更にそこを深掘れば、「断る」という事を人は嫌がり恐れるという事に、いつだったかのタイミングで気が付いた。とにかく皆、断れない、断りたくない、又はうまく断れない。

 

売上を上げるという行為が何故人気かと言えば、利益さえ気にしなければ交渉などしなくてもいい、相手の言う金額に合わせればいい、断る必要もない。表面上は「大きな」ようにも見えるから、それなりに見栄えもいい。実はマイナスの点などは「表面的には」現れてこないので、世の中は皆、揃って売上を目指す。特に建設業界はその傾向が異常に強い。その後できっと利益もついてくる「かも」しれない、という淡い期待を抱きながら経営者は皆、売上を目指す。だから結果も長年変わらない。業界の体質も概ね変わっていない。

 

そこに意味がない事を、私如きが書籍で何回も何年も訴えかけた所で、簡単に変わる訳がない。私の顧問先の方々でさえ、何年も私と一緒にいてでさえも、そして利益が出ていてさえも、どこかで違う方向を向きたがっている様子は日々感じ取れるくらいだ。本を読んでもらった位では、皆の心からはきっとその考えなどは一蹴されてしまっているだろう。「そんな簡単にできる訳がない」「いろいろと事情はあるんだ」、そのような皆の心の叫びが聞こえてくるようだ。

 

「断る」事が全てのカギになる。何を断るか、いかに断るか、どのような言い方で断るか。

 

利益が出ない仕事は断ればいい。これは基本中の基本だ。次に、嫌な仕事は断ればいい。嫌な人や嫌な会社からの仕事も断ればいい。もっと言えば、大変な仕事は大きな利益が取れないのなら全て断ればいい。多くの反論が聞こえてきそうだが、それやりきらないと、冒頭の3つは手に入れられない。

 

利益の出ない仕事を断れば、人手不足全盛のこの時代で人員に余裕が出来る、利益の出る仕事に人を回せるし、無駄な損失なども出ない。当然、機会損失も避けられる。いい仕事を大事に進められれば、当然質は上がる、質が上がれば顧客からの評価は上がる。嫌な会社や嫌な人と付き合わなくてもいいのでストレスが消滅する。望むもの全てが手に入れる事が出来るという事はもはや疑いようがない。

 

言い方も重要だが、これは意外に簡単だ。「人がいない」「手が足りない」今の時代はこの1点で断る事が可能だ。他に言い訳をする必要などない。これ一点での完全突破がお勧めだ。

 

しかしそんな簡単にいかない、断ると仕事がなくなる、付き合いも大事だ、嫌な仕事の我慢も会社経営には必要だ、などと多分これを読んでもらっている人「全員」が思い、そんな事を言う私などに「懐疑的」な目を向けてくるだろう。しかし何より、上記は全て「私自身」が実践してきたものだ。そしてその結果、得たいものは全て手にできたと思っている。

 

さっきも言ったように、私だって言いにくい事もある。断りにくい事も多い。言い方には気を遣うし、交渉するのも大変だ。しかしそこは自分自身の意思で突破するしかない。今の人生であり、今の仕事の在り方や状況に深い満足が得られていないとしたら、そのように変えるしか道はないのだ。

 

それぞれの年齢にもよるだろうが、誰しもがあと何年元気に働けるだろうか?1度しかない人生。元気に働ける残りの10年、20年で自分の望むものを「全て」手に入れられるように「思い切って変えて」みてはどうだろうか。

 

 

 

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