衝撃的な記事でした。
清水建設「営業赤字330億円」。
スーパーゼネコンの清水建設の営業赤字が330億円と巨額の赤字になっています。
このクラスの会社の最終赤字そのものは大きな問題ではないと思いますが、問題はそれが「営業赤字」だという点。
何より「売上総利益」が赤字になっているという点になります。
売上総利益率はマイナス3,3%で前年の4,1%から7,4%のダウン。
そういった中でも、何故か売上高は前期比2%増と伸びています。
原因としては、
①資材調達までの時間が長期化し、資材が高騰した
②労務費の上昇等
との事。今後完成する工事も「多額の損失の見込み」になるとの事です。
同社では、経営責任を明確にするために、会長や社長の役員報酬の返上が決定。株価も急落しています。
「売上が上がって利益が下がる」というのは売上至上主義の典型と言えます。
資材高騰や労務単価の上昇については、確かに受注時点の単価は安かったかもしれませんが、ここ数年の世の中の動きを見ている中で、このクラスの会社が2年後・3年後の単価上昇が見込めなかったというのは考えにくいものです。
これは、「売上高偏重」そして「受注偏重」の考え方があればこその結果だと言えます。
「採算は何とかなる」
「この現場は何としても受注しなければならない」
「売上高確保のために必要だ」
本当はそう思っていたのではないでしょうか。
「売上2兆円のスーパーゼネコン」も「売上高2億円の工務店」も「人が考え、人が判断する」と言う点では全く変わりありません。正しい判断、正しい読みがなければ、経営は会社の規模など関係なくおかしくなるものです。
建設業界自体は今後は仕事が減る事はないと思います。しかし会社によっての差は大きくついてくるでしょう。倒産も増えてくるはずです。
後は目の前の仕事をいかに判断し、いかに利益を残すかという事を考えられる企業、そこに逃げずに立ち向かう企業だけが生き残っていく事になるでしょう。
会社は人手不足により倒産するのではありません。
会社は資材高騰で倒産するのではありません。
会社は景気が悪いから倒産するのではないのです。
従来の考え方の延長、良かりし日々の考え方の延長を切り替えない限り、常に「倒産」「廃業」のリスクから逃れることなどできないのです。
しかし逆に、今は他社と差をつけるチャンスとも言えます。いち早く、周りとの差をつける事を強くお勧めします。
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